東洋新薬 『フラバンジェノール®』のメタボリックシンドローム改善作用メカニズムを解明
株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、『フラバンジェノール®』のメタボリックシンドローム改善作用のメカニズムを解明いたしましたので、第13回日本地域薬局薬学会年会において発表いたしました。
『フラバンジェノール®』とは東洋新薬の独自素材で、フランス南西部ランド地方に植林された海岸松の樹皮から抽出される機能性食品素材です。オリゴメリック・プロアントシアニジン(OPC)を主成分としたポリフェノールを豊富に含み、抗酸化作用や血流改善作用など様々な生理活性を示すのが特徴です。
第62回日本栄養・食糧学会大会(2008年5月)におきまして、武蔵野大学薬学部 油田正樹教授・嶋田努助教との共同研究結果に基づく『フラバンジェノール®』の体重増加抑制ならびに内臓脂肪・皮下脂肪蓄積抑制、さらに血糖値と血中インスリン濃度の改善といった、メタボリックシンドローム〔注①〕改善作用を確認したことを発表いたしました。さらに、日本生薬学会第55回年会(2008年9月)では、その作用機序として肝臓における脂肪燃焼系の亢進が一因となっていることを確認したことを発表いたしました。
そしてこのたび、さらなる研究を実施した結果、そのメカニズムをin vitroで解明いたしました。
本結果を、第13回日本地域薬局薬学会年会(2009年6月27日(土)~28日(日)、帯広市民文化ホール、とかちプラザ、ホテル日航ノースランド帯広)におきまして、発表いたしました。
■ 研究概要
ヒト肝癌細胞(HepG2細胞)〔注②〕にフラバンジェノール(FG)を30 μg/mL処置し、48時間培養した後、脂肪燃焼系の遺伝子発現変動をフラバンジェノール処置のない対照と比較しました。
その結果、フラバンジェノールを添加したHepG2細胞では、対照と比べてPPARα〔注③〕、CPT1〔注④〕、およびACO〔注⑤〕のmRNA〔注⑥〕発現量が有意に増加しました。このことから、第62回日本栄養・食糧学会大会にて発表した、フラバンジェノール®のメタボリックシンドローム改善作用の作用機序として肝臓における直接的な脂肪燃焼系の亢進作用が関与していることを解明いたしました。
東洋新薬は今後も『フラバンジェノール®』の機能性をさらに解明し、メタボリックシンドローム対策商品の開発に注力してまいります。
〔注①〕 メタボリックシンドローム
内臓脂肪の蓄積を基盤として高血糖、高血圧、脂質代謝異常を併発し、心臓病や脳卒中につながる動脈硬化を発症するリスクが高くなった病態のことをいう。診断基準が定められおり、診断項目は①ウエスト、②血糖、血圧、血中脂質である。これらの項目で要件を満たすとメタボリックシンドロームと診断される。
〔注②〕 ヒト肝癌細胞(HepG2細胞)
ヒト肝癌由来細胞株。肝臓の機能に関する研究によく用いられる細胞である。
〔注③〕 PPARα
peroxisome proliferator-activated receptor(ペルオキシソーム増殖因子受容体)の略。PPARαは肝臓、腎臓、心臓、筋肉、脂肪細胞などに発現する。脂肪燃焼に関わる遺伝子の調整を行う。
〔注④〕 CPT1
carnitine palmitoyltransferase 1 (カルニチンパルミトイル転移酵素 1)の略。ミトコンドリアでの脂肪燃焼に関わる酵素。ミトコンドリアとは、細胞中に取り込んだ有機物を代謝し、エネルギーを生産している細胞小器官である。
〔注⑤〕 ACO
acyl-CoA oxidase(アシルCoAオキシダーゼ)の略。ペルオキシソームにおける脂肪燃焼に関わる酵素。ペルオキシソームは、細胞小器官と呼ばれる細胞を構成・機能させている器官の1つで、様々な物質の酸化反応を行っている。
〔注⑥〕 mRNA
messenger ribonucleic acid(メッセンジャーRNA)の略。細胞核内で写し取ったDNAの遺伝子情報を細胞核外のリボソームへ運ぶものをmRNAという。リボソームに運ばれた遺伝子情報のコピーはタンパク質へと翻訳される。
『フラバンジェノール』は、株式会社東洋新薬の登録商標です。