東洋新薬 『フラバンジェノール®』の血糖値上昇抑制作用を確認
株式会社東洋新薬(本社: 福岡県福岡市、本部: 佐賀県鳥栖市、代表取締役: 服部利光)は『フラバンジェノール®』※1の血糖値上昇抑制作用と糖質消化酵素阻害活性を確認したことを第61回日本栄養・食糧学会大会(2007年5月17日-20日開催)で発表しました。
『フラバンジェノール®』は東洋新薬の独自素材で、フランス南西部に生育する海岸松の樹皮から抽出した機能性素材です。
今回はin vivo試験により、フラバンジェノールに糖負荷後の血糖値上昇抑制作用があることを確認しました。さらにそのメカニズムとして、in vitro試験により、糖質消化酵素※2であるα-アミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼの阻害活性を確認しました。
■ 血糖値上昇抑制作用
ラットに糖負荷(デンプンを1.5g/kg体重で経口投与)と同時に『フラバンジェノール®』を800mg/kg体重で経口投与し、投与前および投与30分、60分、120分後の血糖値をそれぞれ測定しました。その結果、コントロール群※3では急激な血糖値の上昇が認められましたが、『フラバンジェノール®』を投与した群では血糖値の上昇抑制が認められました。
さらに、デンプンの代わりにスクロース(ショ糖)またはマルトース(麦芽糖)を用いた同様の試験によっても、血糖値上昇抑制が認められました。これらのことから『フラバンジェノール®』は、食後の血糖値上昇抑制作用を有することが示唆されました。
■ 糖質消化酵素阻害活性
糖質消化酵素であるα-アミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼが働いている溶液に『フラバンジェノール®』を共存させると、これらの酵素の活性(働き)を阻害することが確認されました。
『フラバンジェノール®』の各酵素に対するIC50※4は、α-アミラーゼ0.158 mg/mL、マルターゼ0.591 mg/mL、スクラーゼ0.209 mg/mLでした。この結果により、『フラバンジェノール®』の血糖値上昇抑制作用は糖質消化酵素の阻害活性によることが示唆されました。
東洋新薬は今後も『フラバンジェノール®』の機能性をさらに解明し、メタボリックシンドローム対応商品の開発に注力してまいります。
※1 『フラバンジェノール®』
フランス南西部の海岸松の樹皮から抽出される、東洋新薬の独自素材。ポリフェノールを多く含み、特に抗酸化作用など様々な生理活性を示す有効成分オリゴメリック・プロアントシアニジンを40%以上含有している。海岸松の樹皮抽出物はフランスでは医薬品「FLAVAN」として長年利用されており、当社ではこれまでに臨床試験での美容効果、血流改善効果、in vivo試験での体脂肪抑制効果を確認している
※2 コントロール群
『フラバンジェノール®』を投与しなかった群
※3 糖質消化酵素
デンプンやショ糖などの糖質が体内に吸収されるためには、これらが糖質の最小単位にまで分解される必要がある。消化管内にはα-アミラーゼ、マルターゼ、スクラーゼといった糖質消化酵素が存在し、これらの酵素がデンプンやショ糖などを最小単位まで分解することによって、糖質が体内へ吸収される
※4 IC50
酵素の働きを50%阻害する時のフラバンジェノール濃度。酵素活性の阻害度を測定する指標で、その値が小さいほど酵素阻害作用が強い
『フラバンジェノール』は、株式会社東洋新薬の登録商標です。