2008年09月09日

東洋新薬 「発芽ケール™」のメラニン生成抑制作用を確認 独自素材のさらなるエビデンス拡充

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、発芽ケールにメラニン生成抑制作用があることを確認いたしましたので、日本食品科学工学会第55回大会において発表いたしました。

発芽ケールとは、発芽後4日目で収穫し、乾燥・粉砕した新芽のケールのことです。発芽ケールにはグルコシノレートという、アブラナ科の植物に特有の成分を含んでいるのが特徴です。

今回当社では、発芽ケールの美容に対する効果を検証するため、in vitroにより、発芽ケールのメラニン〔注①〕生成抑制作用およびチロシナーゼ〔注②〕阻害作用を確認いたしました。
本結果を、日本食品科学工学会第55回大会(2008年9月5日(金)~7日(日)、京都大学)において発表いたしました。

■研究概要
〔メラニン生成抑制作用〕
B16メラノーマ細胞〔注③〕を用いて、発芽ケールのメラニン生成に対する影響を検討いたしました。B16メラノーマ細胞に、発芽ケールを添加〔注④〕して3日間培養しました。そして、発芽ケールを添加せずに培養した場合(コントロール)と、B16メラノーマ細胞が生成するメラニン量を比較しました。その結果、発芽ケールを添加して培養したB16メラノーマ細胞のメラニン量は、コントロールに比べ、発芽ケールの添加濃度に比例して少なくなる傾向にありました。さらに、発芽ケールのメラニン生成抑制作用は、成長したケール(以下、単に「ケール」と呼ぶ)のそれよりも強い傾向にあることが認められました(次ページのグラフをご参照ください)。このことから、発芽ケールはケールよりもメラニンの過剰生成が原因でできるしみに対して有効に作用することが示唆されました。

〔チロシナーゼ阻害作用〕
発芽ケールのメラニン生成抑制作用を裏付けるために、発芽ケールのチロシナーゼ阻害作用を検討いたしました。チロシナーゼが存在する水溶液にドーパ〔注⑤〕を添加すると、ドーパはチロシナーゼの働きによってドーパキノンという物質に変化します。そして、生成したドーパキノンの量を測定することによって、チロシナーゼの活性を評価することができます。そこで、この反応系に発芽ケールを添加した場合〔注⑥〕、チロシナーゼの活性にどのような影響を与えるかを検討いたしました。その結果、発芽ケールを添加していない場合(コントロール)と比べ、その添加濃度に比例してチロシナーゼの活性を抑制することが確認されました。さらに、その作用はケールよりも強い傾向にあることがわかりました。このことから、発芽ケールのメラニン生成抑制作用は、チロシナーゼ阻害によるものであることが示唆されました。

東洋新薬は今後も発芽ケールの機能性をさらに解明し、美容をサポートする商品の開発に注力してまいります。

〔注①〕 メラニン
生体の組織内にある褐色または黒色の色素。毛髪や皮膚、目の網膜などに存在する。皮膚では、表皮の底にあるメラノサイトという細胞によって、チロシンというアミノ酸を出発物質としてチロシナーゼ〔注②〕という酵素によってつくられる。紫外線などの刺激によって、メラノサイト中のチロシナーゼが活性化されてメラニンが過剰につくられると、しみの原因となる。

〔注②〕 チロシナーゼ
メラニンの生成に関わる酵素。チロシンというアミノ酸をドーパ〔注⑤〕に、また、ドーパをドーパキノンというメラニン前駆物質に変換する反応を触媒する酵素。ドーパキノンがさらにいくつかの反応を経ることによってメラニンが生成されるが、チロシナーゼが関わる反応は、ドーパおよびドーパキノンを生成する反応だけである。しかしながら、チロシナーゼの活性はメラニンの生成量に大きく影響される。

〔注③〕 B16メラノーマ細胞
マウス由来の、メラニン生成能力を有するガン細胞の一種。メラニンに関する研究のためによく用いられる細胞である。

〔注④〕 発芽ケールを添加
正確には、「発芽ケールの水溶性成分を添加」した。発芽ケールは、その一部しか水に溶けないので、そのまま添加することはできない。そこで、細胞培養用の培地に発芽ケールを混ぜよく攪拌した後、ろ過によって不要物を取り除いたろ液を、発芽ケールの水溶性成分溶液としてB16メラノーマ細胞の培養に用いた。なお、比較対照のケール(成長ケールの微粉砕末)についても、同様の用法で用いた。

〔注⑤〕 ドーパ
dihydroxyphenylalanine(ジヒドロキシフェニルアラニン)の略称。

〔注⑥〕 発芽ケールを添加した場合
正確には、「発芽ケールの水溶性成分を添加した場合」。

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