東洋新薬 「葛の花エキス™」の抗肥満作用に関与する成分を解明 独自素材のさらなるエビデンス拡充
株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、葛の花エキス™の抗肥満作用に関与する成分として、イソフラボンが有力であることを確認いたしましたので、第62回日本栄養・食糧学会大会において発表いたします。
葛の花エキス™は、「葛」の花部から抽出して製造される機能性食品素材で、イソフラボンとサポニンを特徴成分として含んでいます。当社における臨床研究により、葛の花エキス™の抗肥満作用〔注①〕がすでに確認されています。
今回当社は、京都大学農学研究科 河田照雄教授との共同研究において、雄性C57BL/6Jマウスを用いた試験により、葛の花エキス™の抗肥満作用に関与している有力な成分はイソフラボンであることを確認いたしました。
本結果を、第62回日本栄養・食糧学会大会(2008年5月2日(金)-4日(日)、女子栄養大学 坂戸キャンパス〈埼玉県坂戸市〉)におきまして、発表いたします。
■研究概要
8週齢の雄性C57BL/6Jマウス〔注②〕に葛の花エキス™を5%配合した高脂肪食(HF)を28日間摂取させ(HF+葛の花エキス™5%群)、体重、摂餌量、脂肪重量、糞中脂質濃度を測定しました。そしてこれらの指標を、高脂肪食のみを与えた群(HF群)と比較評価しました。さらに、葛の花エキス™のイソフラボン画分〔注③〕を低用量(L)または高用量(H)配合した高脂肪食(HF) 〔注④〕を自由摂取させた群(HF+ISO-L群、HF+ISO-H群)、および葛の花エキス™のその他画分〔注③〕を配合した高脂肪食(HF)を自由摂取させた群(HF+OTH群)を設け、同様に評価しました。
その結果、体重については、HF+葛の花エキス™5%群、HF+ISO-L群、およびHF+ISO-H群において、HF群と比較して増加抑制傾向が認められ、特にHF+ISO-H群において有意な体重増加抑制が認められました。さらに、イソフラボンの配合量が多い高脂肪食ほど摂餌効率〔注⑤〕が低くなりました(次ページのグラフをご参照ください)。また、脂肪重量については、HF+ISO-H群において、HF群と比べて内蔵脂肪重量・皮下脂肪重量ともに有意に小さくなりました。
糞中脂質濃度については、各群の間に有意差が認められませんでした(次ページのグラフをご参照ください)。
このことから、葛の花エキス™の抗肥満作用に関与する成分がイソフラボンであると推定され、さらに、その作用は脂肪吸収阻害によるものではないことが示唆されました。
東洋新薬は今後も葛の花エキス™の機能性をさらに解明し、生活習慣病に対応した商品の開発に注力してまいります。
〔注①〕 葛の花エキス™の抗肥満作用
肥満者または肥満傾向者に葛の花エキス™を8週間摂取させると、葛の花エキス™300mg摂取群において、摂取前に比べてBMIが有意に減少したことを確認し、第28 回日本肥満学会(2007年10月19日-20 日)にて発表した。
〔注②〕 C57BL/6Jマウス
高脂肪食を投与することによって肥満が誘導されやすい特徴を有することから、食餌性肥満モデルとして広く用いられているマウス。
〔注③〕 葛の花エキス™のイソフラボン画分、その他画分
葛の花エキス™を、クロマトグラフィと呼ばれる方法によって、イソフラボンを含む画分と含まない画分とに分離した。これらの画分を、葛の花エキス™とともに本試験の被験物質として用いた。本試験では、イソフラボンを含む画分のことを「イソフラボン画分」と呼び、イソフラボンを含まない画分のことを「その他画分」と呼ぶことにした。それぞれの画分をマウスに投与することによって、イソフラボンが抗肥満作用に影響しているのかどうかを検討することができる。
〔注④〕 イソフラボン画分を低用量または高用量配合した高脂肪食
イソフラボン画分を低用量配合した高脂肪食は、葛の花エキス™を5%配合した高脂肪食とイソフラボン濃度が同等になるように調製した。一方、イソフラボン画分を高用量配合した高脂肪食は、イソフラボン画分を低用量配合した高脂肪食のイソフラボン濃度の1.5倍が含まれるように調製した。
〔注⑤〕 摂餌効率
体重の増加量÷総摂餌量。すなわち、摂餌1gあたりの体重増加量(g)を表す。したがってこの値が低いほど、その飼料を食べても太りにくいことを意味する。