2014年04月07日

東洋新薬 佐賀県固有の香酸柑橘類『ゲンコウ』の育毛作用のメカニズムとして血流改善作用を臨床試験により確認

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、佐賀県固有の香酸柑橘類『ゲンコウ』果皮抽出物の育毛作用のメカニズムの1つとして、血流改善作用を臨床試験にて確認し、日本薬学会第134年会において発表いたしました。

■ 『ゲンコウ』とは
『ゲンコウ』とは、佐賀県馬渡島に自生する香酸柑橘類の一種で、佐賀県固有の希少な果実です。馬渡島の山間部はかつて隠れキリシタンが住んでいたとされ、ゲンコウは宣教師が持ち込んだといわれています。
ゲンコウは果皮が厚く、酸味が強いことから、地元では調味料としても利用されています。
柑橘果皮を乾燥させた陳皮は古来より生薬として用いられており、健胃、利尿、鎮咳、去痰の効果があることが知られています。また、柑橘果皮に含まれる成分には抗炎症作用、血流促進作用があるという報告もあり、近年、柑橘果皮の機能性に注目が集まっています。

今回当社は、ゲンコウ果皮抽出物の育毛作用のメカニズムの1つとして、血流改善作用を臨床試験にて確認し、日本薬学会第134年会(2014年3月27日(木)~30日(日)、熊本市総合体育館)において発表いたしました。

■ 研究のポイント
当社は2012年1月に本部・工場を置く佐賀県と産業振興に関する協定を締結し、佐賀県内の地域資源の付加価値創出に取り組んでおります。その中で、佐賀県固有の香酸柑橘類であるゲンコウの機能性に関して研究を進めた結果、ゲンコウ果皮抽出物が毛乳頭細胞〔注①〕における育毛に関与する成長因子〔注②〕の発現を亢進させることを細胞・遺伝子レベルで確認し、また、動物試験においても育毛作用を確認しております。

そこで今回当社は、ゲンコウ果皮抽出物の育毛作用に関する追加知見を得るために、臨床試験にて検証しました。

■ 発表骨子
健常成人6名(34.7±4.3歳、男性2名、女性4名)を対象に、クロス・オーバー法〔注③〕で試験を実施しました。
ゲンコウ果皮抽出物含有溶液(ゲンコウ群)またはプラセボ溶液(プラセボ群)に片手を1分間浸漬させた後、レーザードップラー血流計〔注④〕を用いて0分後(浸漬直後)、10分後、20分後の指先の皮膚血流量を測定しました。
その結果、ゲンコウ群ではプラセボ群と比較して、20分後の皮膚血流量が有意に高くなることが確認されました。

以上のことから、ゲンコウ果皮抽出物の育毛作用のメカニズムの1つとして、血流改善作用が関与していることが示唆されました。

東洋新薬では今後も『ゲンコウ』の機能性を探求し、独自性の高い素材開発、商品開発に注力して参ります。

〔注①〕 毛乳頭細胞
毛髪形成の指令を出す細胞で、毛乳頭細胞の出す成長因子等によって毛周期が制御されています。

〔注②〕 成長因子(グロースファクター)
細胞間の信号物質として働き、増殖や分化を促進する内因性タンパクの総称です。

〔注③〕 クロス・オーバー法
二つ以上の試験品の効果を比較する場合に、同じ被験者にそれぞれの試験品を使用し、その結果を比較する方法です。
各試験品を別々の被験者に使用して結果を比較する群間比較法と比べると、被験者の個人差による影響を少なくすることができます。

〔注④〕 レーザードップラー血流計
反射したレーザーの周波数の変化により、対象内の流体の速度を非襲侵的に計測する装置です。皮膚下の血流量の推移を測定するのに適しています。

▶お知らせ一覧にもどる