2010年12月10日

東洋新薬 「大麦若葉末」の消化管への安全性および下痢症状の改善を臨床試験により確認

株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、大麦若葉末の消化管への安全性および下痢症状の改善を臨床試験により確認いたしましたので、第15回日本食物繊維学会大会において発表いたしました。

『大麦若葉末』は、イネ科オオムギの若葉部を乾燥、微粉砕加工した機能性食品素材です。臨床試験において、便通改善作用を有することを確認しており、平成22年8月23日付けで便通改善作用を許可表示とした特定保健用食品の許可を取得しております。

今回当社は、大阪青山大学 健康科学部 片山 洋子 教授、財団法人癌研究会癌研究所 松浦 正明 氏、日本赤十字社医療センター 藤原 睦憲 氏との共同研究において、大麦若葉末の消化管への安全性および下痢症状の改善を臨床試験により確認いたしましたので、第15回日本食物繊維学会大会(2010 年11月22日(月)~23日(火)、北海道大学学術交流会館(北海道札幌市))におきまして、発表いたしました。

■ 発表骨子
健常成人19名および排便回数が週3~5回の軽度便秘傾向者10名、計29名の成人男女を対象に、二重盲検群間並行法〔注①〕にて、1包あたり1.8 gの試験飲料(大麦若葉末群)または大麦若葉末を含んでいない対照飲料(プラセボ群)を、1日3回(計5.4 g)、12週間にわたり摂取させました。
その結果、尿検査、血液検査、身体検査、便検査、自覚症状および問診の各検査項目において、臨床上問題となる異常変動は認められませんでした。また、消化管における炎症発現の有無を示す尿中PGE-MUM〔注②〕濃度の推移は、大麦若葉末飲料の摂取による有意な変化は認められませんでした。さらに、大麦若葉末群の水様便発現頻度は、摂取期間を通じて減少傾向にあり、摂取5週目以降は全く発現が認められなくなりました。
一部の下剤では、副作用として消化管内の粘膜に炎症を起こすこともあることが知られていますが、大麦若葉末では炎症を引き起こしにくいことが確認されました。このことから、大麦若葉末は、安全性の高い食品素材であることが示唆されました。また、大麦若葉末は、水様便の出現を抑える効果も有することが期待されます。

東洋新薬は今後も大麦若葉末を用いた独自性の高い商品を開発し、より一層の拡販に注力して参ります。

〔注①〕 二重盲検群間並行法
二重盲検(ダブルブラインドともいう)とは、被験者の思い込みによる影響(プラセボ効果)や試験実施者の挙動が被験者に影響を与える可能性を排除するために、被験者および試験実施者には試験食かプラセボ食かを知らせないで効果を検証する試験のことをいう。また、群間並行とは、異なった2群またはそれ以上のグループを同時に試験進行させていくことで、二重盲検群間並行法とは、それらが組み合わさった試験方法のことをいう。

〔注②〕 PGE-MUM
Prostaglandin E-main urinary metabolite (尿中プロスタグランジンE主要代謝物) の略。炎症が起こる際に生体内で放出される化学物質の1つであるPGE2 (プロスタグランジンE2)は、尿中へPGE-MUMとして排出されるため、消化管における炎症発現の有無を示すマーカーとして使用され、一部の下剤を摂取することでPGE-MUMの濃度上昇が確認されている。

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