東洋新薬 葛の花エキス™の抗肥満作用メカニズムを確認
株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、葛の花エキス™の抗肥満作用メカニズムを確認し、第63回日本栄養・食糧学会大会において発表いたしました。
葛はマメ科のつる性植物で、乾燥させた根が漢方薬の原料として葛根湯などに使用されていますが、葛の花エキス™は、葛の花部から抽出して製造される機能性食品素材で、イソフラボンとサポニンを特徴成分として含んでいます。
今回当社は、京都大学農学研究科 河田照雄教授、並びに武蔵野大学薬学部 油田正樹教授との共同研究において、葛の花エキス™の抗肥満作用メカニズムをin vivoで確認いたしました。
本結果を、第63回日本栄養・食糧学会大会(2009年5月20日(水)~22日(金)、長崎市茂里町ブリックホール、長崎新聞文化ホール、長崎文化放送(NCC)ホール)におきまして、発表いたしました。
■研究概要
7週齢の雄性C57BL/6Jマウス〔注①〕に葛の花エキス™(PTE)を添加した高脂肪食(HF-PTE群)を14日間自由摂取させ、高脂肪食のみを与えた群(HF群)と比較しました。
その結果、HF群と比較してHF-PTE群に有意な体重増加抑制、および内臓脂肪蓄積抑制がみられました。さらに、HF-PTE群において、HF群と比べて褐色脂肪細胞〔注②〕中のβ3-AR〔注③〕、並びにUCP-1〔注④〕のmRNA〔注⑤〕発現量が有意に増加しました。このことから、葛の花エキス™の抗肥満作用機序として、褐色脂肪における熱産生系の亢進が一因となっていることが示唆されました。
東洋新薬は、今後も葛の花エキス™の機能性をさらに解明し、肥満対策商品の開発に注力してまいります。
〔注①〕 C57BL/6Jマウス
高脂肪食を摂取させることによって肥満が誘導されやすい特徴を有することから、食餌性肥満モデルとして広く用いられているマウス。
〔注②〕 褐色脂肪細胞
脂肪を分解し、「熱」として体外に放出する働きのある脂肪細胞。心臓・腎臓周囲、首周りなどの限られた部位に分布し、脂肪を燃焼させる働きをもつ。年齢と共に減少することが知られている。
〔注③〕 β3-AR
脂肪燃焼に関わるタンパク質で、β3-adrenergic receptor(β3アドレナリン受容体)の略。
脂肪細胞中に存在し、脂肪燃焼および熱産生をコントロールする役割をもつ。
〔注④〕 UCP-1
脂肪燃焼に関わるタンパク質で、uncoupling protein-1(脱共役タンパク質1)の略。
主に褐色脂肪細胞中に存在し、脂肪燃焼や熱産生を行っている。
〔注⑤〕 mRNA
messenger ribonucleic acid(メッセンジャーRNA)の略。
細胞核内で写し取ったDNAの遺伝子情報を細胞核外のリボソームへ運ぶものをmRNAという。リボソームに運ばれた遺伝子情報のコピーはタンパク質へと翻訳される。