東洋新薬 佐賀県固有の香酸柑橘類『ゲンコウ』の育毛作用に関する追加知見を取得-育毛作用を動物試験で確認-
株式会社東洋新薬(本社:福岡県福岡市、本部:佐賀県鳥栖市、代表取締役:服部利光)は、佐賀県固有の香酸柑橘類『ゲンコウ』果皮抽出物の育毛作用を動物試験にて確認し、第20回日本未病システム学会学術総会において発表いたしました。
■『ゲンコウ』とは
『ゲンコウ』とは、佐賀県馬渡島に自生する香酸柑橘類の一種で、佐賀県固有の希少な果実です。馬渡島の山間部はかつて隠れキリシタンが住んでいたとされ、ゲンコウは宣教師が持ち込んだといわれています。ゲンコウは果皮が厚く、酸味が強いことから、地元では調味料としても利用されています。
柑橘果皮を乾燥させた陳皮は古来より生薬として用いられており、健胃、利尿、鎮咳、去痰の作用があることが知られています。
また、柑橘果皮に含まれる成分には抗炎症作用、血流促進作用があるという報告もあり、近年、柑橘果皮の機能性に注目が集まっています。
今回当社は、ゲンコウ果皮抽出物の育毛作用を動物試験にて確認し、第20回日本未病システム学会学術総会(2013年11月9日(土)~10日(日)、東京・一橋大学)において発表いたしました。
■研究のポイント
当社は2012 年1月に、本部・工場を置く佐賀県と産業振興に関する協定を締結し、佐賀県内の地域資源の付加価値創出に取り組んでおります。その中で、佐賀県固有の香酸柑橘類であるゲンコウの機能性に着目し研究を進めた結果、これまでに、ゲンコウ果皮抽出物が毛乳頭細胞〔注①〕における育毛に関与するFGF7、VEGF〔注②〕等の成長因子〔注③〕の発現を亢進することを細胞・遺伝子レベルで確認しております。
そこで今回当社は、ゲンコウ果皮抽出物の育毛作用に関する追加知見を取得するために、動物試験にて検証しました。
■発表骨子
剃毛したC3H/HeNマウス〔注④〕をゲンコウ群(ゲンコウ果皮抽出物を塗布)と、対照群(精製水を塗布)の2群に分け、それぞれを24日間連日塗布し、育毛状態をスコア化し評価しました。
その結果、対照群と比較しゲンコウ群では強い育毛作用が認められました。
東洋新薬では今後も『ゲンコウ』の機能性を探求し、独自性の高い素材開発、商品開発に注力して参ります。
〔注①〕毛乳頭細胞
毛髪形成の指令を出す細胞。毛乳頭細胞の出す成長因子等によって毛周期が制御されています。
〔注②〕FGF7、VEGF
毛髪の元となる毛母細胞の増殖を促進し、毛髪の成長を促す成長因子。
〔注③〕成長因子(グロースファクター)
細胞間の信号物質として働き、増殖や分化を促進する内因性タンパクの総称。
〔注④〕C3H/HeNマウス
剃毛により毛周期を同調させやすいため、育毛評価試験に汎用されるマウス。